2008年12月30日火曜日

自衛隊とソープランド

七転び八起きブログ読者の皆さま、5月以来長々とした駄文にお付き合いくださいまして本当にありがとうございました。既に帰省されている方々や、旅行中の方々もいらっしゃるかも知れませんが、どうぞ良いお年をお迎え下さい。

さて、2008年、読者の皆さまにとって最も心に残ったことは何でしょうか?100年に一度の金融危機と言われた今年は余りにも変化が大きく、1つだけを取り出すのは難しいかも知れません。フェニックス証券が広告を出稿している日本語ロイターの投票では、やはりリーマン危機が断トツ1位でした。天邪鬼の私が陰ながら応援していた福田前首相の「貴方とは違うんです」は残念ながら、というか案の定、順位は低かった。忘れてはならない私が繰り返し申し上げてきた四川大地震も、他国のことだからなのか、発生したのが5月だからなのか、やはり順位は低かった。

ご本人の固辞により流行語大賞を逃した福田発言ですが、その前半の「自分を客観的に見ることが出来る」という部分のほうがより重要ではないでしょうか?「政権を投げ出した」「他人事みたいだ」という馬鹿な記者の質問に対する回答。何となく受け答えになっていないところが奥ゆかしいという点に加え、激しながらもここまで言い切れる人はいるでしょうか。自分達一人ひとりの置かれた立場で自分自身を客観的に見ることが出来ると言い切れれば、日本の社会や政治は随分まともになると思われます。

そもそも、我が国において最大の「他人事」は恐らく自衛隊では。賛否両論は当然ながら、田母神「論文」が「自衛隊は他人事で良いのか?」という問題提起をなし得た意義はとても大きい。ビートたけしさんの「TVタックル」は、昨夜登場した田母神前航空幕僚長を挟んで、マネージャパンMoney Japan+ビジネスアスキーBusiness Asciiの対談でお世話になった森永卓郎さんと日本共産党の穀田議員、片や自公議員の論戦は、地上波の限界を意識した絶妙な編集。逆に言えば地上波の限界への挑戦でした。

田母神「論文」と反対の立場に属する森永氏と穀田氏も、番組の中では当然触れられない「『日米軍事同盟』なかりせば一体どうするの?」という問いかけには全く異なる意見の筈。森永氏は「北朝鮮だろうかどこだろうが日本を攻めてきて日本人が全滅するというのならそれはそれで構わないではないか。憲法9条を守り通したが故に絶滅した平和主義の民族が昔居たのだ、と語り継げられれば良い」的な趣旨の発言をされたことがあります。これも一理あり、森永氏の発言の背景には、日本のような無資源国には攻めてくる軍事国家は居ないという前提があるのでしょう。穀田氏は、現在の日本共産党の公式見解は別として、同党が一貫して主張する『日米軍事同盟』破棄後はやはり独立した軍隊を持つべきだ(独立国家の定義だ)という考え方を持っていないとは想像できません(私個人の推測です。間違っていたらすみません)。

平和主義を押し付けてきた米国から傭兵を雇うという人類史上稀に見る偶然のうえに成り立った戦後日本の高度成長の枠組みが成り立たなくなったのは、冷戦終結後の我が国の有様を見れば明らかです。街を歩くときに、自分の身を守るために、銃を携帯していたほうが安全か、かえって危険か?これは百家争鳴でしょうが、小さい島国を取り巻く国際情勢に翻弄されざるを得ない議論であることは指摘せざるを得ません。

司会者ビートたけしさんの〆の言葉「自衛隊はソープランドだ」というのは見事なまとめでした。(以下は私個人の補足ですが)売春防止法に実質的に違背しているのに形式的に認めている検警察の背景には、性風俗を認めないと性犯罪が著しく増加するという苦々しい経験値があるからなのです。醜いものとして表社会から蓋をされられているタブーこそが、表社会の治安や平和を維持してくれているという点で自衛隊も同じだという趣旨でしょうか。

タブー視された自衛隊の士気を正常状態に保つために、田母神氏による教育、「論文」は避けて通れなかったという事情は、反対意見の人たちも理解をせねばならないでしょう。その上で、今更無視は出来ない中国等の反日感情(日本社会党の自爆テロだったと当ブログで申し上げた村山談話とリンク)と、当ブログでもしばしば取り上げた「歴史は戦勝国によってでっち上げられたもの」でその結果としての自虐史観との喧々諤々のために、昨夜のような番組は24時間でもやって欲しい。そのためにテレビ朝日はくだらないバラエティー番組は全部無くせば良いと思うのですが。
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