2009年4月1日水曜日

過去最悪の日銀短観、国家破綻危機に学ぶ

朝8:50に発表された日銀短観。特に注目されていた大企業製造業の業況判断指数は▲58。予想以上の悪化で1974年以来の短観の歴史で最悪の数値。

為替は直ちに円安に反応するも、一瞬にして買い戻され、その後は短観発表前に比べ寧ろ若干の円高水準。

日経平均は朝からプラス圏。

エイプリルフールねたに落とすつもりはありません。それを言ってしまえば、四回に一度は短観は四月馬鹿になってしまいますから・・・

大企業製造業の閉塞感と、物質には満ち溢れているが雇用不安から逃れたい=年金が出るまでクビになりたくないという怯え。これは大いに関係があるようです。

松下幸之助氏が二股ソケットを開発し、安藤百福氏が即席めんを開発したころ、意欲ある日本人は「こんなものがあったら便利だな・・・」というヒントを探しまくり、夢をひとつひとつ実現していったのだと思います。ドラえもんの人気は衰えないにもかかわらず、もう一歩上の物質文明のステージにあがることが死活問題だという意識は日本人にもなければ、これまでのメイド・イン・ジャパンの御得意様諸外国にもないという事実から目を背けるわけには行きません。

児童ポルノで摘発された問題のアフィリエート広告。先ほど、アフィリエートのASP会社のご担当と話をしたら、最近伸びている分野は化粧品と健康食品を始めとするEコマースだそうです。

「歴史は繰り返す」という諺と対立するのが「人類はその叡智によって果てしなく発展し豊かになれる」という歴史観。しかし、英国産業革命に端を発する工業文明は、繰り返しもなければ、際限なき発展も有り得ないのではないかという、上記ふたつとも異なる歴史観もあるのではないでしょうか。

ところで、国家破綻危機の事例として、七転び八起きブログではアイスランドを徹底的に取り上げて参りました。これは似非金融立国の熟れの果て。金融が(原則として)虚業であることを忘れていい気になる国・企業・役職員にとっては他人事ではありません。問題は工業立国、貿易立国もまた他人ごとではない事例があることです。

それはウクライナ。19世紀まではヨーロッパの穀倉地帯と呼ばれ、20世紀はソ連の穀倉地帯と呼ばれた、大農業国という印象の強かったウクライナは、21世紀に入り急速に工業化します。昨今の失業率、自国通貨下落、経済成長率のマイナスは、世界の最悪水準であり、10年弱の工業化の恩恵を逆回転させるほどの勢い。混乱の陰には、殆ど常に、積年のロシア関係という外交等の要因が控えているとは言え、それ故、我が国には参考にならないとは言えません。ちなみに、我が国の貿易依存度は10%程度と決して高くないことは以前より当ブログで強調して参りました。対するウクライナは、50%近くにのぼっており、穀倉地帯の印象とは大きく異なります。

当ブログでは、ウクライナ問題を定期的に取り上げていくことにします。
CoRichブログランキング

0 件のコメント: