2009年11月27日金曜日

緩やかなデフレの国の独り勝ち

「緩やかなデフレ」宣言が菅直人大臣から飛び出したものの、具体的な政策について触れられなかったことに対して、早くも民主党政権の迷走が始まったとの論調が強まっっていた矢先のドバイ・ショックでした。

米国FRB議事録でドル金利の長期低迷が明らかとなり、ドルの独歩安かと思われた今週末の為替相場は、実はオセアニア通貨やその他新興国通貨がドル以上に対円では弱くなり、結局は円の独歩高という解釈が正しかったようです。

砂上の楼閣ならぬ海上の不動産開発に酔い痴れていたドバイは、良く知られているように石油資源を持っておりません。持っていたのは、夢物語で桁違いの資金を集めまくる能力だけだったとすれば、やっていたことは我が国のバブル紳士やITもどき寵児と酷似しています。

「そろそろドルキャリー取引や円キャリー取引のミニバブルが弾けても可笑しくないな」とか「世界中の多くの大手銀行の不良債権の誤魔化しがそろそろ限界に来ているのではないか」とか胡散臭さを感じていた投資家の皆さんも少なくはなかったでしょう。その引き金がドバイであったことには驚きましたが、ドバイで起こっていることは実に日本人には理解しやすいことです。

しかし、為替ブログとして問題なのは、クロス円通貨の押し目買いをどこで入れれば良いかということ。キャリーをエンジョイした通貨は来月も激しいボラティリティに晒されるでしょう。であれば押し目買いは相当先まで待ったほうが良いのか。ドバイ問題で難しいのは、この不良債権がどこの通貨エリアに撒き散らされているかという点。これは邦銀とて無縁であるとは言い切れないと考えられます。現時点ではまだ情報が十分ではありません。

当面は心配していない、というか心配したくないのが、ドバイ型バブルを意図的に作っているもうひとつの経済圏、中国沿岸部の状況です。こちらが崩落すると、ドバイショックどころではなくなるでしょう。

ドルキャリーや円キャリーでポンドやユーロに投資をするよりは、日本の長期国債や(モノに寄りますが)不動産に投資をしたほうがシャープレシオは低い、という真実が急速に再評価されそうです。

ちなみに、長期国債は、フェニックス証券のCFDでもアクセス出来ます。
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