2010年9月22日水曜日

日本だけではない政治の「ねじれ現象」

最近、読了した平凡社新書「モーツァルトの台本作者-ロレンツォ・ダ・ポンテの生涯」(田之倉稔署)によると、ユダヤ人が居住させられていたゲットー(ghetto)の語源は、まさしくシェークスピアのヴェニスの商人にあるように、ヴェネチア(ベニス)を首都とする現在のイタリア共和国ヴェネート州の方言で「鋳造所」を意味する言葉なのだそうです。
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但し、起源も語源もヴェネチア(ベニス)ではないという説も有力ではあります。

起源や語源が様々であるように、その目的も、十字軍遠征以降、異教弾圧を先鋭化したローマ・カトリックがユダヤ人を排除・差別するためであるものがある一方、上記著作には、主人公のダ・ポンテ(母親が死亡し父親がカトリック教徒の娘と結婚するために改宗するまでユダヤ教徒だったユダヤ人)が産まれた村(やはりヴェネート州)がそうであるように、国王(ローマ教皇とは対立がちな二重権力)がユダヤ人部落の貧困を救うために金融業や貨幣の鋳造業を誘致した排他的な「特区」であったケースが紹介されております。

ところで、改宗を経て、ユダヤ教徒でなくなれば、出自は兎も角ユダヤ人でなくなるのか?これは、上記「モーツァルトの台本作者」のなかで著者が推測しているように、ダ・ポンテは生活場所や職業を如何に変えようと根っこに残るユダヤ人差別と闘っていたとの指摘もあります。スペインでは、やはりカトリック教徒による国土回復運動(レコンキスタ)によって、多くのユダヤ人が改宗を勧告されました(コンヴェルソ)が、改宗したからといって差別が根絶したわけではなかったそうです。

また、違う角度ですが、以前紹介した「私の中のユダヤ人」は、八百万の神の国で、ついつい内向きになりがちな日本人が是非とも追体験しておきたい、現在日本に住むイスラエル出身の女性の体験談であります。

http://phxs.blogspot.com/2010/04/blog-post_09.html

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本題に入る前に、ずいぶんと長い前置きをしたのは、「ユダヤ人」問題は断定可能どころか随分曖昧であるということを知っておかないと、我が国で根強い人気の“暴露本”、特にユダヤ関係やWASP関係に“魅了”されるときに気をつけておかねばならない点であると思います。

それで、いよいよ本題。ローレンス=サマーズ国家経済会議(NEC)委員長の正式辞任(今年いっぱい)の発表をどう読むか。。。

肝心の本題を書く時間が無くなってしまいました。改めます。
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