2012年11月15日木曜日

TPPと穀物法とレオンチェフ・パラドックス

いよいよ衆議院選挙。へそ曲がりのわたくしは、その結果そのものよりも、「TPP参加賛成だが脱原発」という政党と、「TPP参加反対だが、脱『脱原発』」という政党と、どちらを支持するのかという意思決定のほうに関心があります。

究極の選択になるかも知れませんが、財界には優秀なブレイン、企画スタッフがいますから、数字で以って、良き参謀役を務められると思います。

尤も、現時点で、最大野党の自民党が「TPP反対だが、脱『脱原発』」政党ですよ、と自らをハッキリさせたわけではないし、ハッキリさせるのかどうかも良くわかりません。民主党も同様でしょうが、開き直った人間の強みとは恐ろしいもので、野田首相は、今なら、自らの政党を定義づけるというリスクを取れてしまうのかも知れません。理想は、第三極なるものも含めて、これらをハッキリさせること。現役議員の政党間リシャッフルというのは、今となってはなかなか“忙しい”でしょうけど、あっても良いと思われるし、あるべきだと思います。

TPP参加に賛成と言っても、直ちに関税が撤廃されるわけではないし、それどころか、いまさら議論にすら参加させてもらえないかも知れません。しかし、今やシェールガス大国としてエネルギーの雄として躍り出たオバマ大統領率いる米国とすれば、脱原発を騒ぐことはもはや減点対象ではなくて、TPP賛成は勿論加点対象で、そっちの政党を支援するでしょう。

何処の誰からカネを貰っているのかよくわからないネトウヨは別として、支持率が1%割れたとしても、ここ数日の野田首相の立ち居振る舞いは、愈以って、松下政経塾の面目躍如というところです。

松下、、、と言えば、今日の日の丸家電の惨憺たる状況。証券業界や商品先物業界と大差ないように見えて、ひとつ大きく違うのは、20世紀後半の英国車メーカーの如く、無くなれば良いと言い捨てられるものではないことだと思います。

家電メーカーの経営者にも様々な判断ミスはあったにせよ、経営に失敗は付き物です。円高、最低賃金、整理解雇要件の厳しさ、これらのうちひとつだけでも自由度があれば、失敗の修正は可能だったと思います。

整理解雇要件の厳しさは、法律上のタテマエとしては労働者の人権を守ってきたと言われていますが、実態はそうではなく、労使ともに不幸にさせる、ルーズルーズの関係(ウィンウィンの真逆)にあるということを、このブログで繰り返し書いて参りました。

そこできょうは残りの2つをセットで。。。円高について日銀だけを犯人にしてもどうにもなりません。最低賃金を政治で弄るのは、何となく、無理でしょう。これらふたつを一挙に“裏道経由”で解決する緒がTPPです。

このような議論は、200年も昔のイギリスで、穀物法闘争として経験済み、実証済みです。経済学者リカードのプロパガンダとちょっと違ったのは、自由貿易は、産業革命のドライバーたる産業資本に味方して工業品の輸出を更に伸ばしただけでなく、イギリスの農業にも黄金時代をもたらしたということです。産業資本家と地主階級という対立するふたつのセクターをウィンウィンの関係にさせたようです。

日本の農業は、後継者不足による就農人口の低下、自給率の低下というプロパガンダで覆い尽くされています。実際のところは、前者は農業の効率化の証でもあり、後者はカロリーベースで計算された誤謬の結果です。

農業でしか喰えない、、、と嘆く工場労働者やサービス業従事者、産業資本化も出てくるでしょう。しかし、農業では喰えない、、、という嘆きは(植民地時代の後遺症で内戦状態だったり、コーヒー豆やゴムの木や綿花しか植わっていない農地を別とすれば)言語矛盾になります。

変化への対応を国民に求められない政党に、強い日本を語る資格はないでしょう。さて、そういう議論がこれから1ヶ月でできるかどうか。

と、偉そうに書いているわたくし自身も、柔軟性と瞬発力を身につけていかなければいけないと、自戒しているところです。

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