2013年3月5日火曜日

行動ファイナンスは面白い

たとえば、イチローとか落合博満のような打者が、前の打席までで既に3打数3安打で迎えた第4打席、多くの野球解説者は「きょうは特に当たってますからねぇ。うちとられる確率は低いでしょうね。敬遠でしょう」とコメントするでしょう。いっぽうこのような実績のある打者が3打数無安打で迎えた第4打席だったらどうでしょう。「そろそろヒットが出てもおかしくないですね。ピッチャーもそのように不安に感じるものです」というコメントも良く聞かれます。

サイコロに代表されるように、一投毎の試行が独立の事象と考えられる場合には、上記のような野球解説者のコメントはナンセンスとなります。野球の場合は、一打席ごとが独立事象とは考えられません。その日の体調が全打席までの結果に現れていることとか、先発投手との相性や、先発投手が早々に降板して敗戦処理級の投手が次々と打たれている等々の試合展開とか、前打席までヒットが(何本か)出ていればプレッシャーが減るとか自信が増すとか、いろいろと複雑な事情が含まれるので、野球解説者の薀蓄話を楽しむ余地があるというものです。

行動ファイナンスという学問が照準を当てているのはたとえばこういう現象です。さきほどのサイコロで、「6」が続けて3回も出た(この時点で確率0.46%)のだが、更に4回目に「6」が出る確率が、なんだか過去3回さまざま出鱈目な数字が出たのだが(「1」「4」「3」とか、「6」「5」「2」とか)、次の4回目に「6」が出る確率より低いように思えてしまうのが人情だが、これは合理的ではない。えてして人間というものは合理的に物事を考えられないことがあるのだと説いているわけです。

問題は、これを相場とか投資に当て嵌めようとしてみた場合どうなのか、ということです。1分か、1時間か、1日か、どれでも良いのですが、どれかの単位区間で、例えばユーロドルの相場が、「下落」「下落」「下落」と続いた場合に、次の区間が「上昇」となるか「下落」となるか、半々の確率と言えるのかどうか??言えたとして、それは我々人間の直感とずれていないかどうか???もしもずれていたら、売買を機械化・自動化することで直感を修正するメリットを投資の成果として回収できるかどうか????これが課題です。

☆☆☆☆

実は、直前の記事でご報告した慶応義塾大学の特別授業にわたくしを招聘してくださったのは、わたくしが以前に務めた会社の同僚で、同大学院経営管理研究科(ビジネススクール)林高樹教授でして、彼の専門分野こそ、わたくしが行った授業のないようとはあまり関係のない、この行動ファイナンス、、、より厳密には「意思決定分析」なのです。

より具体的に他己紹介させてもらえれば、「高頻度データを金融意思決定(リスク管理やトレーディング)に活用する(ための統計的方法論の研究開発および実証研究」をなさっているのです。

これは、まさしく、アヴァトレードジャパン代表取締役としてのわたくしのビジネスパートナーの皆さまがありとあらゆる形でやってくださっていることです。

わたしは、自動売買のプログラムを開発したりそれを販売したりする立ち位置の方々のほかに、アカデミックな研究課題として、ややもすればちょっと生臭く感じてしまいがちなオカネの話に取り組んでいらっしゃる林教授といっしょに、システムトレードがどういう意味において裁量トレードよりも優位であって、したがってシステムトレードの普及によって投資分野におけるプロとアマの垣根の開放、投資の民主化みたいなものが出来ればと、特別講義の前後に雑談し大いに盛り上がったところでした。
CoRichブログランキング

0 件のコメント: