2008年8月29日金曜日

社会貢献と営利追求は矛盾するとは限らない【夕刊】

フェニックス証券の大切なお客さまが幹事をなさるということで、異業種交流会に呼んでいただきました。門を叩くと、元気一杯のベンチャー企業の経営者の皆さん。弊社のお客さま、小職とは長ぁ~い付き合いですが、本当に広い人脈をお持ちなのですね。

印象に残ったプレゼンテーションを二つ程ご紹介させてください。

スポーツを変える青いチカラ「ブルータグ」の今矢社長。サッカーで鍛えた精悍なルックスには似合わない(オット失礼^^;)立て板に水でビジネスモデルをご紹介。かつてIT系企業で鍛えられ、創業で苦労された賜物かと勝手に想像。企業スポンサーが付き辛いマイナースポーツ、だが条件さえ整えばオリンピックで劇的なパフォーマンスが期待できるハングリーで素材の素晴らしいアスリート達を支援する企業です。

敢えて筆者ブログでは避けてきた北京五輪の話題。ただひとつ触れるとすれば、筆者と同郷の吉田沙保里選手のことでもなく野口みずき選手のことでもなく浅尾美和選手(?)のことでもなく残念ながらやはり野球でしょう。露出の多さ、年俸の高さ、そして選手村を避けて環境の良さを追求してもアスリートの能力が引き出せるとは限らないことが露呈しました。今矢社長からは野球だけでなく大相撲やサッカーの世界を悪くしているのもまた天下り官僚だと鋭い指摘も(ちょっと書きすぎ?)。

もうひとつは、自殺を検討しているひとを思いとどまらせるための運動をネット上で展開している「生きテク-自殺解決マニュアル」のオキタミュージアムのオキタ社長。自殺が我が国の死因のトップで年間3万人超という現実。一方、意外と知られていないのが自殺の「成功」率(未遂に留まらない比率)が90%と主要国でダントツのトップであること、横行する自殺支援サイト、、、死ぬためのメニューが示されているのに生きテクためのメニューが示されていないことが不幸な要因だとオキタ社長。「ここから選びなさい」と言われたら素直にそうしてしまうのが日本人の弱いところだからとの分析に筆者も思わず納得。

注目すべきは、いずれも手弁当のボランティアではなく、営利企業だということ。勿論、ハゲタカみたいに大儲けは出来ませんが、事業が継続し経営者が生活していくことが成り立つ、支援する側とされる側の或る意味共存共栄スタイルであるということです。

実は、筆者もFX事業と同様、「格差の逆転が可能な社会」に一歩でも二歩でも近づけるための限りなくボランティアに近い事業を考えて久しいのです。フェニックス証券の社員には漏らしつつありますが、近いうちに読者の皆さまにも公表出来ればと思います。

どうぞ良い週末を。
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行って来い

●オバマ候補、演説でブッシュ政権の経済失政を指摘(8/29NYT)
エネルギー政策については、米国の中東依存を10年以内に解消すると提言。

●デンバーの熱狂は終わり、これからが長い道のり-オバマ候補にとて(8/29WSJ)
かつて大統領候補が経験したことのない厳しい課題と不確実性にオバマ候補は直面する。例えば、労働者階級の白人票の獲得とか。

党としての支持率、資金力という点で、近年稀に見る優位に立つ民主党だが、その割りにはオバマ候補がマケイン候補と僅差という点をWSJは鋭く突く。

GDPのサプライズで、灰汁抜け感の乏しい反騰を演じた昨夜の相場。これからは政策論争に目を転じるべきでしょうか?が、その一方で、、、

●メリルリンチ、上場来36年積み上げてきた利益の1/4を直近18ヶ月で吐き出す(8/28FT)
昨年始まった信用収縮以来、不良債権の償却と評価損の合計は520億㌦。1971年~2006年のインフレ調整後利益総額は560億㌦。。。

今日で8月も最終営業日。月末+週末に相応しい【夕刊記事】をご用意しております。どうかお楽しみに。
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2008年8月28日木曜日

BNPパリバにヒアリング-金融庁、アーバン問題で【号外】

日本語ロイターがアーバン⇔BNPパリバのスワップという名の裏取引問題について総力取材を行なっています。

(前略)
スワップ契約を開示するべきか否か――。複数のアーバン側関係者によると、アーバン内部でも最後まで議論があった。CB発行の法的アドバイザーになった森・濱田松本法律事務所は、アーバンに対し少なくとも2回、スワップ契約を含むすべてを開示するよう促した。

 しかし、最後までスワップ契約の開示に反対したのはパリバだった、とアーバン側関係者は言う。市場関係者からは「開示してしまえば、パリバがヘッジ目的でアーバン株を売却しようとしても、パリバのポジションを先読みされトレーディング損を被る可能性があったためだろう」との見方も出ている。
(後略)

記事全文はこちら
http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPnTK015405520080827

この点、丁度1週間前の8/21(木)朝にアップしました筆者ブログの記事

(前略)
今後は、裏取引の存在と内容について転換社債の発行⇒引受⇒払込と同時に適時開示するべきとして発行会社アーバンに指導しなかった(不作為犯)のか、適時開示をするなと指導した(作為犯)のか、が当局捜査の焦点になってくるでしょう。(後略)

と呼応している点に注目です。
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日の沈まぬ国から日出ずる国へ

フェニックス証券の主力カバー先(お客さまからのFXの御注文を繋ぐ銀行)としてお世話になっているモルガンスタンレー。そのFXチーム@ロンドンの部長さんがわざわざお越し下さいました。

表敬訪問だから、15分程度、“OK!”と“I see.”と“Thank you!”で乗り切れると高を括っていたら、悪夢の質問攻め。毎朝、英字新聞をコツコツ読んでいても、一向に巧くならない英会話。遠方からの客も「こんな英語の下手糞な奴が本当にモルスタに居たのか?」と吃驚されたのではないでしょうか?

FX後進国の我が国で、先進諸国を凌駕する手数料競争+スプレッド競争という事情。事前に勉強されていたようで、モルスタも更に頑張ると所信表明。

一方、こうした競争の中で、本邦FX業者の「身売り+廃業」の相談が絶えない。フェニックス証券はM&Aによる事業拡大の用意は無いのか?という質問に対し、「少数精鋭の組織だからこそ生き残れているし攻め続けている。証拠金残高を増やすために要員とシステムが重複してしまったら、効率が損なわれる」と断言。この点が理解できていないのは、旧態依然の商品先物系の業者なのではと。

最後に、FX業界のリスクについて、侃侃諤諤。金融自由化の最先端を行っているとのイメージが強いシンガポールですらレバレッジ規制は厳しい(通貨ペアによっては20倍程度に制限)。米国では100倍以上のレバレッジを提供する業者は資本金2000万㌦以上を要求される。昨日聞いた話ではスイスではFXには銀行免許(資本金2000万SFr)が必要になって、業界が大混乱しているとか。税制面の不公平は規制緩和すべきだが、ことレバレッジとなると話は別。野放図な我が国FX業界のレバレッジ競争に規制が導入されてもFX部門が継続できるような健全な運営を目指したいと思います。

そんな中、昨夕、日銀から外国為替証拠金業界に関するレポートが出されました。簡潔で判りやすい(拍手)。

http://www.boj.or.jp/type/ronbun/rev/data/rev08j07.pdf

最後の最後に、イギリスの経済っていったいどうなの?と聞いたら、答えはフェニックス証券オンライン・セミナーの話の通りでした(も一度、拍手!)。
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