2008年11月6日木曜日

オバマ新大統領はドル高政策を転換するのか?一夜限りのハネムーン相場

●南北戦争が遂に終わった(11/5NYTimes)
ニューヨーク・タイムズ紙のトマス・フリードマン氏のコラム。147年前にバージニア州で勃発した米国の内戦は、まさに同じ場所での激戦をオバマが制したことで終結した。これほど象徴的なことがほかにあろうか、と。すべての子ども、すべての市民、そしてすべての新しい移民の人たちに、今日この日からthis day forwardアメリカはすべてのことを可能に出来るんだと知らしむべきだと。

一方、
●米国の未曾有の借金がオバマ新大統領の手かせ足かせに(11/5WSJ)
2008年最終四半期で5500億㌦、来年第一四半期で3680億㌦におよぶ国債発行の計画を米財務省が発表。専門家の予想では米国の借金は1兆5000億㌦を超え、この1年で25%増だと。このような借金急増がオバマ氏の積極財政路線にとってジレンマになると同紙。

●選挙当日の株価高騰は一日で帳消しに(11/5WSJほか)
米ダウ平均:▲5.1%、S&P500:▲5.3%、ナスダック:▲5.5%、、、
一方、原油先物:▲7.4%(⇒65.30㌦)、金先物:▲2.0%(⇒741.30㌦)

「フェニックス証券チャリティ・オペラ・コンサートのチケットが売れたから、代金を回収にいらっしゃい」と日頃お世話になっている社長さんに呼ばれ、その席で昨夜、日本銀行国際局の方を紹介してくださいました。国際局の方曰く、「為替の介入、しそうでしないですね。しないんですかねぇ?」。対して小職曰く、「それは僕が聞きたい質問ですけど・・・」で、苦笑い。このブログを紹介し「主要先進国中央銀行が協調して米ドルの資金供給をするというのは、スポット相場という点では逆介入の効果。逆に、トムネクが安定してしまったら、介入が必要になるくらいドルが底抜けするかも、と書いてます」と伝えたら「随分、先を見ておられますねぇ」と呆れられました。
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2008年11月5日水曜日

オバマ氏当選、初のアフリカ系大統領の誕生

「黒人大統領の誕生は、米国がすべての人に機会がある国であることを証明する素晴らしい出来事だ」とは敗軍の将、マケイン氏の演説。かつてセオドア・ルーズベルト大統領が黒人補佐官をホワイトハウスに招いたときに米国民は大きく反発したというエピソードを示し、米国が大きく変ったことを強調。ライバルの勝利を称えていました(日本時間13:00於アリゾナ)。

経済問題、イラク問題での具体的な手腕は実のところ未知数ですが、予想以上の圧倒的勝利に加え、議会との“ねじれ現象”の解消を背景に、思い切った変革が期待されるのは間違いないでしょう。

それにしても、敗者マケイン氏のタイムリーな演説。控え室のスイートルームでじっくり考え抜かれたものでしょうが、我が国の政治常識からは考えづらい、わたしにとっては感動的な演説でした。
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米大統領選、いよいよ開票

ウォール・ストリート・ジャーナルやニューヨーク・タイムズのWEBサイトの開票速報の見やすさに感動。思想信条は兎も角、速報性と一覧性で両紙は争い、紙媒体は何処へやらという印象。勿論、いずれのオンライン・サービスも原点は紙媒体。有料サイトの料金設定とサービスの質と紙媒体のリストラの絶妙なバランスは、日経ネットの建て直しで苦慮している日経新聞の幹部も参考にされている筈。

七転び八起きブログは、速報性で米紙オンラインサイトと争っても詮方無いので、相変わらず天邪鬼なマイナーニュースをお伝えします。

●JPモルガン、プロップデスクを縮小(11/4FT)
金融混乱以降、自己売買部門およびヘッジファンド部門が儲からなくなったとしている。そうすると、金融混乱以降自己売買で大儲けしているのはいったい誰なんでしょう。フェニックス証券ではありませんので、念の為。JPモルガンは、ベアスターンズおよびワシントンミュウチャルの救済買収後、4100人の人員削減を既に発表している。

●韓国の中小零細企業、FX損失で銀行を告訴(11/4FT)
韓国の中小零細企業96社が、スタンダード・チャータード銀行やシティバンクを含む13の銀行に対してFX絡みのデリバティブで総額15億㌦の損失を強いられたとして訴えた。

●デンマーク政府、ユーロ導入の可否を問うべく、国民投票へ(11/4WSJ)
理不尽な為替の変動が実体経済を混乱に陥れるくらいなら、固定相場のほうがましだ。とか、いっそのこと金本位制に戻るべきだ。とか、ある種の酔っ払い的議論にも一理あると思います。世界中が固定相場になるとFX業者はすべて廃業となりますが(笑)。FXをやりながら、変動相場のメリットとデメリットを自分の言葉で語れるようになりたいものです(言うは易し・・・)。
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2008年11月4日火曜日

怪我の功名

●原油価格、月間の下落幅が記録更新(10/31FT)
1983年にニューヨークで原油先物が創設されて以来。原油に限らず、穀物など商品先物全般が急落中。連休中の日経新聞でも大きく取り上げられていました。

●米銀、貸し渋りは続く(11/3WSJ)
連銀調査で明らかに。家計向けも企業向けも貸出基準を厳格化。とくにクレジットカードについては、借り手の信用力にかかわらず、信用枠を削減して行かざるを得ないと。理由として、経済の先行きが不透明であることと、銀行が資本の毀損でリスクに耐えられないという2点が挙げられている。

●GM、10月売上高が前年同月比で約半分!(11/3WSJ)
フォードは30%減、トヨタは23%減。人口増を調整した数値で見ると、第二次世界大戦以降で最悪の月間記録とか。

歴史に残るかも知れない2008年も6分の5が経過しました。まだ、1年を振り返るには早すぎますが、私にとっての2008年の個人的キーワードは「怪我の功名」ということになりそうです。これまでにない激動の一年のなかで43歳の誕生日を向かえることになった雇われ社長4年目突入の今年は、「怪我の巧妙」と呼ぶに相応しい出来事のオンパレードでした。そのエピソードは年末上梓予定のデビュー本に譲らせてください。

本日の記事でひとつだけ言わせて貰えば、エネルギー価格や食料価格のバブルが弾けたのは(予想通りとか当然のこととか評価はさておき)世界金融危機の副産物《怪我の功名》なのかも知れません。
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